東洋医学の歴史と定義
① 東洋医学の定義
東洋医学とは、人間を心と体を含めた一つの全体として捉え、
気・血・水や陰陽のバランスを整えることで、病気の治療および予防を行う医学である。
西洋医学が臓器や病変を個別に診断・治療するのに対し、
東洋医学は体質や生活習慣、精神状態、自然環境との関係を重視する点に特徴がある。
② 西洋医学との比較
● 西洋医学との違い
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体の捉え方
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病気の原因の考え方
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診断方法
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東洋医学:脈・舌・顔色・体質・生活習慣を重視
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西洋医学:検査(血液・画像・数値)を重視
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治療の目的
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東洋医学:体質改善・自然治癒力を高める
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西洋医学:病気や症状を直接治す・取り除く
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治療手段
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得意分野
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東洋医学:慢性症状、原因不明の不調、予防
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西洋医学:急性疾患、感染症、外科治療
③ 東洋医学の基本概念
1.気・血・水
気:生命エネルギー
血:血液と栄養
水:体液
→ これらの不足や滞りが不調を引き起こすと考える。
2.陰陽
すべてのものは「陰」と「陽」という相反する性質を持ち、
健康とは陰陽のバランスが保たれた状態である。
3.五行
自然と人体の働きを「木・火・土・金・水」に分類し、
内臓・感情・季節は相互に影響し合うと考える。
④ 東洋医学の歴史
東洋医学は約2000〜3000年前の中国で成立した。
その基礎理論は、紀元前2世紀頃にまとめられた『黄帝内経』に体系化されている。
5〜6世紀:日本へ伝来
江戸時代:日本独自の漢方医学が発展
明治時代:西洋医学中心となり一時衰退
現代:漢方薬が医療保険適用となり再評価されている
⑤ 現代における意義
東洋医学は、冷え性や慢性疲労、自律神経失調など
原因が明確でない不調や慢性症状に有効とされる。
現在では、西洋医学を否定するものではなく、
補完医療として併用される医学として活用されている。
⑥ まとめ
東洋医学は、
人間を全体として捉え、バランスを整えることを重視する医学であり、
長い歴史の中で培われた理論をもとに、現代医療でも重要な役割を果たしている。