HOME > 学習ノート > 整体の基本 施術の心構え > 十四経発揮 > 1.手の太陰肺経 2.手の陽明大腸経 経絡を覚えるにはどうしたら良いのでしょう。 「経絡は目に見えないものですから、感じることです」と言ってしまうと初学者には 余計分からないことになります。 では、難しいことは置いて置き、相手の方の身体に触れて感じることから始めましょう。 指圧の大家で、増永静人先生(故人)の考案したその方法を見て行きましょう。 下記の写真は14本の経絡の内の2本、すなわち、①手の太陰肺経と②手の陽明大腸経、 両経絡の虚実を知るのに大変分かりやすいものです。 上肢の伸展法、腕を伸ばしてどんな感じかを検査すると言っても良いでしょう。
虚実=力なく萎えるような感じが虚で、反対に力が有り余っている状態が実と言っても良いでしょう。 どちらも良い状態とは言えません。力が余っているのだから良いじゃないかと思うでしょうが、そう でもありません。おとなしすぎる子、暴れてばかりいる子に例えると分かるでしょう。 やはりバランスが大切なのです。 今度はその経絡=気の道筋を見て行きましょう。 ここでは、ツボは覚える必要はないということです。 ちょっと肩の荷が下りましたね。 新幹線の通る道は覚えて欲しいのですが、駅までは覚えなくても良いのです。 その代わりに経絡と臓器の関係を頭にしっかり入れて下さい。 そうしますと今後学習する際に理解しやすくなります。 始まりと書いてある所からご覧下さい。 胃のイラストがあります。そこからスタートするのです。それを流注といいます。 水の流れをイメージすると良いでしょう。 経絡を中国では14本の大河に例えたとも聞いております。 胃から始まり、下へ降りて大腸へ行き、もう一度上に上がり、胃から横隔膜を貫いて 両方の肺へと行きます。 喉を通り、心臓とも関わります。 内臓から、表の腕に経絡は出てきます。地下と地上の様です。 実線で書かれている所が表面の経絡です。経絡は分肉の間を走行すると古い本に書いてあります。 筋肉と筋肉の間(溝)を走っていることが多いです。 健康な時にはツボはあまり明確に触知できませんが、身体の具合の悪い時には分かりやすく出ます。 ◎肺経は呼吸器と深い関わりを持つ経絡です。 なぜ十四経発揮を学ぶ必要があるかと言いますと、表面に出てきた、肺経でしたら腕から手指までを 知るだけではどうして呼吸器と関わるのかが理解できません。 風邪をひいた時のことを思い出して下さい。 喉が痛くなり、鼻水が出て、胸は苦しくなり、熱も出てきます。 先程の内臓との関わりを見るとうなずけることでしょう。 こんな風にしてそれぞれの経絡を理解して行きましょう。 下にまとめたものを掲載しておきます。 背侯診や腹診という言葉がでてきますが、これは背部や腹部で診断することです。 反応する場所を書いたものです。 気で感じることが大切なのですが、幾つかの診断方法がありますから、まずそれで覚えましょう。 あとは実際に施術をしながら、触れて感じることです。 自然に感覚が研ぎ澄まされてきますので心配はいりません。 1.手の太陰肺経 2.手の陽明大腸経 参考文献ー走行:十四経発揮、症状:兼子、機能・精神面ほか多数:増永静人
● 肺経:反応部位 背中:胸椎1~3とその周辺 腹部:左右季肋下部の最外端
● 大腸経:反応部位 背中:腰の両側、 腹部:そけいに沿った部位で腰に手を当てた時の拇指と他の四指の端が位置する所。 |
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