東洋医学と女性の病気について

1. 東洋医学の基本概念
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血(けつ):血液・栄養・潤いを運ぶ。女性は生理で血を失いやすく、血不足が病気の原因に。
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気(き):生命エネルギー。血を巡らせ、体の活力を支える。
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腎(じん):生殖・発育・骨・髪・精髄に関与。月経・妊娠に深く関わる。
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肝(かん):血の貯蔵と流れを調整。ホルモンや情緒にも影響。
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陰陽(いんよう):体の潤い・栄養(陰)と活力・熱(陽)のバランス。
2. 女性特有の病気と東洋医学的原因
月経異常
更年期障害
不妊症
子宮筋腫・卵巣嚢腫
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原因:血瘀(血の停滞) → 塊や痛みの原因
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アプローチ:血を動かす漢方、冷え・ストレス改善
3. 日常でできる東洋医学的ケア
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食養生
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血を補う:黒ゴマ、黒豆、レバー、ほうれん草
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気を補う:山芋、鶏肉、玄米
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冷えを避ける:温かい飲み物、足湯
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生活習慣
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適度な運動で血流促進
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睡眠リズムを整える
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ストレス軽減(深呼吸・瞑想)
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漢方・鍼灸
女性の年代別に起こりやすい病気と東洋医学(漢方・体質アプローチ)。
1. 思春期(10〜20代)
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月経不順・無月経
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原因:血虚(血不足)、気滞血瘀(血の巡り悪化)
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漢方:当帰芍薬散、加味逍遙散
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月経痛(生理痛)
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原因:血瘀(血の停滞)、寒湿(冷え・湿気)
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漢方:桂枝茯苓丸、当帰四逆加呉茱萸生姜湯
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ニキビ・肌トラブル
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原因:肝火上炎(肝の熱)、血熱(血の熱)
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漢方:清肝湯、温清飲
2. 妊娠・出産期(20〜40代)
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不妊症
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原因:腎虚(生殖力低下)、気滞血瘀(血流停滞)
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漢方:八味地黄丸、血府逐淤丸
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つわり
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流産・早産予防
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原因:腎虚、血虚
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漢方:補腎薬(六味地黄丸)、補血薬(当帰補血湯)
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産後の体力回復・授乳
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原因:血虚、気虚(体力不足)
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漢方:十全大補湯、当帰芍薬散
3. 更年期(40〜50代)
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ほてり・のぼせ・発汗
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原因:腎陰虚、肝陽上亢
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漢方:六味地黄丸、知柏地黄丸、加味逍遙散
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不眠・イライラ
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関節痛・冷え・倦怠感
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原因:腎陽虚(エネルギー不足・冷え)
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漢方:右帰丸、附子理中丸
4. 高齢期(50代以降)
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骨粗鬆症・関節痛
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原因:腎精虚(腎の精が不足)、血虚
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漢方:六味地黄丸、牛車腎気丸
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記憶力低下・めまい
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原因:腎精不足、心血虚
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漢方:杞菊地黄丸、酸棗仁湯
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更年期症状の残存(ほてり・不眠)
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原因:腎陰虚・肝陽上亢
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漢方:知柏地黄丸、加味逍遙散
ポイント
更年期障害
更年期障害は、一般的に女性の**閉経前後(45〜55歳頃)**にホルモンバランスの
変化によって起こる心身の不調です。
主な症状
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身体症状
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ホットフラッシュ(のぼせ・発汗)
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動悸、めまい
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頭痛、肩こり、関節痛
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不眠、疲労感
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精神症状
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その他
症状は個人差が大きく、軽度の人もいれば日常生活に影響する人もいます。
東洋医学から見た更年期障害
東洋医学では更年期障害は**「腎(じん)の衰え」や「肝(かん)の気の乱れ」**として理解されます。
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腎の衰え → 生殖機能や骨、髪、歯など全身の老化と関連 → 疲れやすい、腰痛、耳鳴り、冷えなど
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肝の気の乱れ → ストレスや情緒の不安定に関連 → イライラ、のぼせ、肩こり、月経異常など
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心・脾・肺の関与 → 不眠、食欲不振、動悸などに関連
東洋医学的治療の例
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漢方薬
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「加味逍遙散(かみしょうようさん)」:イライラやのぼせに
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「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」:冷えや疲れに
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「六味丸(ろくみがん)」:腎の弱りによる腰痛や疲労に
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鍼灸
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生活養生
東洋医学のメリット・注意点
メリット
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体質や症状に合わせた個別アプローチ
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薬に頼らない方法(鍼灸・生活養生など)も可能
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心身のバランス改善が期待できる
注意点

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